気になるバイオニュース、ちょっとマニアックな鉄道模型、心に滲みる酒場、まだバックパッカーという言葉が輝いていた時代の旅の話を中心に、徒然なるままに…


by Katsu-Nakaji

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スイスの製薬会社ノバルティスが開発した、世界で初めてのアルツハイマー病用貼り薬「エクセロン・パッチ」が米国で承認されました。従来から販売されているカプセル剤をパッチ式にしたもので、軽度から中程度のアルツハイマー型認知症の治療が目的。

背中、胸、上腕部などに貼って使用しますが、ノバルティスでは、飲み薬とは違い24時間薬剤をなだらか、かつ持続的に体に供給することができるとしています。臨床試験では同薬の投与で記憶力や日常生活能力が明らかに改善しており、吐き気などの副作用もカプセル剤に比べ3分の1程度に抑えられたそうです。また、介護者が薬剤の使用状況をすぐ把握できるのもメリットとして挙げています。

エクセロン・パッチは米国では近々入手可能で、欧州では既に承認申請が出されています。日本では小野薬品と共同開発中で、現在は第三相の臨床試験段階にあり承認申請まであと一歩というところ。発売されれば多くの患者さん達に歓迎されることでしょう。

また同薬は、効率的な薬剤デリバリーシステムとしてのパッチの有用性を改めて示したものと言えるのではないでしょうか。
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by Katsu-Nakaji | 2007-07-12 18:30 | バイオニュース | Comments(1)
久々のバイオ関連です。

先月、北海道岩見沢市にある、ネイチャーテクノロジー株式会社を訪問しました。天然ハーブから香りの成分を抽出し、それをパッチ(一般的にはサロンパスのようにペタッと貼るやつです)にして、皮膚から有効成分を吸収させる「アロマシューティカル」(健康香料)の研究、製品開発をしている会社です。会社の詳細は同社のHP(http://www.nature-technology.com/)を見ていただくことにして、一番驚かされたのが、同社の特別顧問である刈田毅氏が全くの独学でDGDS(ドラッグ・ガス・デリバリー・システム)という同社のコアテクノロジーを開発したという点です。同氏は、テルペノイドと呼ばれる植物由来芳香成分に着目。以来その研究に人生を捧げた結果、皮膚に直接貼らずに薬効成分を持つテルペン系化合物を安全に体内に運び込むパッチの開発に成功したのです。上着などの服の裏側に張るだけで効きくことから、肌がかぶれやすい人も安心して使えるほか、例えば人前やオフィスでも簡単に張替えができます。

これからの医療には欠かせない、必要な薬物を必要な量だけ必要な場所に運ぶドラッグ・デリバリー・システム(DDS)の開発で、世界中の大学や研究所が激しい競争を繰り広げています。様々な方式がありますが、パッチへの注目度も高く、糖尿病治療用のインスリンパッチが普及するのも遠い先の話ではなさそう。そんな中、ネイチャーテクノロジー社の最先端パッチ技術とハーブ、アロマを融合させ新たな医薬を創造する試みは、漢方やアユルヴェーダで古来から使用されている薬草等も視野に入れることで、大きな成果をあげる可能性があると言えそうです。血流を増加させる成分との組み合わせで、上着を羽織るだけの心臓発作予防、帽子をかぶるだけの脱毛予防・発毛促進なども実現するかもしれません。

そういった大きな広がりをもった技術にも独学で辿り着けることを、刈田氏は証明して見せました。「大学や研究所にいなくとも探究心と信念があれば技術は創れる」--目からウロコの岩見沢行でした。
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by Katsu-Nakaji | 2007-05-02 18:56 | バイオニュース | Comments(1)