ヨン・サン・トウ(昭和43年10月1日のダイヤ改正)で今は無き国鉄から煙が消えて行ったように、今、日本の町中から大衆酒場が消えようとしています。無煙化の理由は「効率化」、そして大衆酒場消滅の最大の原因は「高齢化」です。一見何の関連もなさそうですが、高効率のディーゼル機関車(チェーン居酒屋)が町の大衆酒場(蒸気機関車)をその効率の良さから駆逐したと見れば、どうでしょう。「老兵は消え去るのみ」ーー確かにそうでしょう。でもそれは、この国がまた一つ、文化を失うことを意味します。「煙鉄(あるいは煙模型鉄)」の本質は煙のようにはかなく消え去るものへの偏愛、つまりフェチです。というわけで、これから折に触れて「アル中の煙鉄」が今網膜に焼き付けておかなければいけない大衆酒場を「鉄マニア」の視点(?)から記憶に残しておこうかなぁと思います。