米クラフツマン誌の表紙(1987年6月号)を飾ったこのロコを見て以来欲しいと思ってましたが、銀座天賞堂のエバーグリーンショップ(閉店)で「難あり」品として出ているのを発見。「難あり」の表示通り、不動は勿論のこと車体にもそこそこダメージは有りましたが、基本部分は大丈夫みたいだったので修復可能を判断し、購入しました。購入後何となく工作を始めたので元の姿の写真は有りません。主な修復点は、モーター換装、傾いていたランニングボードやフロントパイロットの付け直し、欠落していたインジェクターの取り付け及び関連パイピング、それに元々なかった火室の表現とブレーキ装置の追加です。ガゼット誌にイラスト図面が掲載されていたので、全面的に頼りました。
モーターは、キャブからお尻が大きくはみ出していた縦型を、マシマに換装。マシマは当初9400形に使っていたやつで、いくつか試した後に決めたのですが、このロコとは相性が良いようです。
インジェクターは元のオーナーが同封していてくれたロストパーツ(それも4つ!)を使用。助手側は殆どキャブ内に隠れているので1つだけ使いました。
給水パイプは0.6ミリ真鍮線。逆止弁には前方から回り込んで接続しているのが特徴です。ヘッドライトからの電線も普通は無視するんですが、インジェクター付近からキャプへ急速に立ち上がっていく様が面白く、取り付けました。ほかのパイピングも細々と。キャブへは0.3−0.5ミリドリルの「そらせ開け」です。
モーターがキャブ内の収まった事で台枠との間に隙間ができてしまったので、ボイラー後半からキャブの後端まで延びる長い火室を表現しました。リベットを打った0.2ミリ燐青銅板。すべて固定してしまうとモーターがつかえて上下が組み立てられなくなるので、前方だけボイラー下部にハンダ付けし、後方はフリーです。
ブレーキシューはレジン製。ハンガーは0.3x0.8ミリ真鍮板をに0.4ミリの穴を開けて整形した物です。「少し細すぎたか?」と思いましたが、あまり見える部分ではないのでそのままに。動輪押さえ板への取り付けは、単に真鍮線を介するだけで済まそうと思ったのですが、結局テコ類も、簡単にですが表現しました。自己満足ですね。
まぁ、そんなこんなで完成です。
シンダ除けはこのあと煙突に付けました。
ここで告知です。
来る5月19日(日)、東京で所属クラブ「KKC」メンバーによる作品発表会があります。鉄道模型界のレジェンド達による驚愕の作品群が展示されるので、ぜひ行きましょう!