このところじっくり工作する環境にないので、16番蒸機ジャンクのレストアでもと宮沢のD60を引っ張り出しました。この製品の最大の欠点は幅広の従台車で、しかも少し後ろ寄りに付いてます。このためキャブ周りの引き締まった感じが無くなり、アルマイトの弁当箱(古いっすか)を引きずった様相を呈してます。また、何となく重厚感に欠けるのはやや腰高のためと思われます。まぁ16番は雰囲気重視なのでスタイルブックに当たった訳では在りませんけど…。
という訳で先ず従台車を三枚におろし、分厚い枠を薄く削るなどして幅詰めです。ただ詰め幅は2ミリくらいが限度で、それ以上やると従輪が回らなくなります。再組み立ての際には、ワッシャで従輪の左右動を殺して曲線通過時の回転を確保しました。
車高は動輪押さえ板に真鍮帯を貼り、0.5ミリ下げました。これでシリンダーの中心と動輪の中心がほぼ一直線に揃うので、この寸法で正解だったのでしょう。
バルブギアも修正点で、コンビネーションレバーがつり上がり過ぎで、ラジアスロッドが下がり過ぎ(ニュートラル時の比較で)のようです。
コンビネーションレバーは、バルブスピンドルガイドの幅を広げて下まで入り込むようにしました。ラジアスロッドが下がりすぎなのは、モーションプレートが下過ぎるせいでもあるので、モーションプレートの台枠への取り付け部に真鍮片を噛ませてランニングボードと接触する程度までかさ上げしました。実物もそうなってます。
上回りはロストを使ったティテイルアップは全く考えてないのですが、質感を高めるような修正の一環としてドームを削り直しました。結果は「前よりまし」程度ですか。言い忘れましたが、従台車の取り付け位置は2.5ミリほど前方に寄せてあります。取り付け穴の開け直しは当然として、あちこち削って何とか収めました。
地に這う感じが出て、カッコ良くなったと思います。ブレーキシューを取付ければさらに重量感が増すでしょう。