気になるバイオニュース、ちょっとマニアックな鉄道模型、心に滲みる酒場、まだバックパッカーという言葉が輝いていた時代の旅の話を中心に、徒然なるままに…


by Katsu-Nakaji
アメリカの下院が11日に胚性幹細胞(ES細胞)を研究を連邦政府が支援する法案を、賛成253、反対174で可決しました。超保守のブッシュ大統領が拒否権を発動するのは確実で、今回の採決が即、「ES細胞研究解禁」(あくまで連邦レベルで)とはいきませんが、それを指示する共和党議員も多く、「次期大統領は民主・共和いずれであれ、同研究にゴーサインを出す」(民主党議員)のは確実のようです。

大統領選は来年。いよいよアメリカもES細胞研究競争に本格参入するわけで、ES細胞株を樹立した京都大学以外の利用がとてつもなく難しくなってしまった日本は、さらに遅れをとることが確実な情勢になってきました。
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# by Katsu-Nakaji | 2007-01-15 23:00 | バイオニュース | Comments(0)
このブログを読んでくれた親友のS君から、「おまえの原点は小田急と親父のヨーロッパ土産の客車じゃなかったのか」との指摘がありました。確かに、O君のEB58+篠原の線路→珊瑚模型→TMSという流れなしでは、玩具ではない「おとなの趣味としての鉄道模型」の扉を開けることはできなかったのですが、ふかーく(なくともいいが)考えると、ご指摘の通りなんですねぇ。幼馴染というのは自分の忘れたことも憶えていてくれて(こっちも彼の忘れたことをしつこく憶えているが)、ありがたいものです。というわけで…

ほぼ生まれた時から11歳まで住んでいた団地の、道ひとつはさんだ向こうに小田急線が走ってたことから、列車の通過音やロマンスカーのオルゴールの音がしない生活は想像できませんでした。遊んでいても、電車の音が聞こえてくると遊びを中断して団地の裏に飛んでいって、フェンスにしがみつきながら「○○型だぁ~」。車両の形だけじゃなくて、色も楽しかった。当時はまだオレンジがかった黄色と青の、いわゆる旧塗装が全盛だったけど(「小田急」といえばこれだ)、旧国型のデハ1800なんかは茶色だったし、御殿場線乗り入れ用のディーゼル、キハ5000はベージュに赤い帯。もちろんロマンスカーはグレーに赤だけど、デハ2600や4000には、小田急百貨店全館完成記念のクリームと赤地に金の帯という「特別塗装」もありましたねぇ。

昭和40年代前半はまだ電気機関車が砂利を満載したトムをゾロゾロ引き連れて、その「タンタンタンタンタン…」ていう単調なジョイント音は国鉄の長大な貨物列車を思い起こさせてくれたもんです。最後尾には、トムの真ん中に車掌室をつけたトフがいつもぶら下がっていたけど、トフは一列車一両じゃなく、先日雑誌で見た写真によると、機関車の直後にも連結されていることが結構あったようですね。貨物列車はよく脱線してました。

そんなわけで、当時は「電車」といえば「小田急」しか考えられず、毎月首を長くして発売を待っていたTMSに小田急車両の製作記が載っていた時などは本当にうれしくて、何度も何度も繰り返し読んだものです。
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# by Katsu-Nakaji | 2007-01-09 18:57 | 鉄道模型自分史 | Comments(0)
トラックバックカテゴリ:ニュース・評論
論文捏造問題を調査していた東大が、暮も押し迫った12月27日、RNA研究者で工学系教授の多比良和誠(たいら・かずなり)氏と助手の川崎広明(かわさき・ひろあき)氏を懲戒解雇にすると発表しました。「論文の責任著者として実験の妥当性を的確に評価する識見がない。川崎助手の実験結果を慎重に検討せず、信ぴょう性のない論文を再三作成した」ことで「大学の名誉や信用を著しく傷つけた」のがその理由。

この発表を聞いた一般の人達にとっては、「何かわからないけど、多比良という悪い教授が川崎という助手を使って、インチキな論文を沢山発表してたらしい」ーということになってしまうでしょう。でも、本当にそうなのでしょうか?自分は記者としてこの問題を1年半近くフォローしてきましたが、この処分が発表された時にまっ先に思ったのは、「東大がこんなことをやっているのでは、日本にサイエンスは育たない」ということでした。

この問題の経緯についてはあとで少し詳しく報告するとして、川崎助手の実験データ捏造疑惑は限り無く黒に近く、解雇も止む無しと思います。しかし多比良教授は監督責任だけが問われているのであって、同助手の細工が見抜けなかったのは「不正」ではなく「ミス」です。「不正」には「解雇」という厳罰で臨むのは当然ですが、「ミス」に対しても同様な厳しい処分を科すことをやっていては、研究者は委縮し既存の体制ばかり気にしてまい、創造的な研究などできるわけがありません。また「信憑性のない論文を再三作成した」というのも、誇張が過ぎます。
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# by Katsu-Nakaji | 2007-01-04 17:34 | 東大論文捏造問題 | Comments(0)
日本経済新聞によると、東京大学の中村義一教授(現日本RNA学会会長)、名古屋大学の錫村明夫教授、㈱リボミック、㈱セルシグナルズが、現在では根治不能な多発性硬化症(MS)の新しい治療候補物質を開発しました。人工RNA (リボ核酸)を利用した、治療のターゲットとなる物質に抗体より強力に結合する「RNAアプタマー」というもので、これまでのマウス実験では、それを静脈注射したマウスのMSの発症が遅くなったり、症状が軽くなったといいます。

RNAといえばDNAの陰に隠れ、一般にはほとんど知られていない物質と言うことができるでしょう。しかしここ数年研究が進み、これまで考えられていたような単なるDNAに書かれた遺伝子情報の伝達役だけでなく、遺伝子の働きを実際にコントロールする機能があることもわかってきました。今、最もホットな研究分野の一つで(アメリカの40代のRNA研究者2人が今年のノーベル生理医学賞を受賞しました)、それを応用した薬品や病気の治療法を開発する競争も始まっています。

「RNAアプタマー」はこれから本格的な動物実験に入るそうで、ヒトに対する安全性や効果を確認する臨床試験の開始にはまだ時間がかかり、たとえ臨床試験で好結果が得られたとしても薬品として承認されるにはさらに数年を必要とします。開発に失敗する場合も十分考えられ、過度な期待を持ってはいけないでしょう。しかし、難病患者やその家族にとって、治る可能性があるとないとでは病気に立ち向かうパワーが天と地ほど違ってきます。開発が順調に進むことを願います。
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# by Katsu-Nakaji | 2006-12-21 14:22 | バイオニュース | Comments(0)
ーたぶん、最高の出会いー

いまから約40年前、世田谷の経堂から(駅は小田急の千歳船橋が近かった)、杉並の堀ノ内に引っ越した。その少し前に、友人のO君のEB58(カツミの16番自由型の傑作)が篠原の405R組線路を走る姿に参ってしまっていた私は、引っ越し先の近所に見つけた模型屋さんの木戸を開けて「鉄道模型の本ください!」。その時店のお兄さんが「はい」と渡してくれたのが「鉄道模型趣味」(TMS、または単に「模型趣味」と呼ぶのが普通)の1969年11月号(No. 257)でした。環七方南陸橋から立正校成会へ下ってきた、びみょーなデルタ地帯にあるそのお店が、今ではメジャーメーカーとなった「珊瑚模型」だったのです(まだ一階のみの営業で、プラモデルなんかも積んでありました)。「鉄道模型趣味」と珊瑚模型店…これ以上の始まりはないのではないかと思っています。
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# by Katsu-Nakaji | 2006-12-17 01:30 | 鉄道模型自分史 | Comments(0)
米医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」の12月7日号に掲載された調査結果によると、慢性骨髄性白血病のNo.1 治療薬と言われるイマチニブ(商品名グリベック)の投与を病気の初期段階から受けた患者全体の89%が、少なくとも5年間生存しています。この5年生存率は、これまでに報告された他のどの治療法が示した値より高く、イマチニブの有効性が再確認されたといえるでしょう。ちなみに、同薬以前に最も有効とされた、インターフェロンαと抗がん剤シタラビン(商品名キロサイド)の併用療法では5年生存率が70%前後となっています。

イマチニブは、細胞をガン化させるタンパク質だけを狙い打ちにする「分子標的治療薬」のひとつ。白血病の再発を防ぐにはずっと飲み続けなくてはなりません。副作用については、心臓の左心室の機能障害、ひいては心不全の可能性が指摘されており、使用前に十分はインフォームド・コンセントが必要でしょう。
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# by Katsu-Nakaji | 2006-12-14 20:01 | バイオニュース | Comments(0)
時事通信によると、東大付属病院などが開腹手術後の内臓癒着を防ぐ技術を開発したそうです。現在はシート状の癒着防止材が使われていますが、新技術は糖の一種であるトレハロースを噴霧して臓器表面を保護すると共に、従来の防止材をゲル状にして縫合部分を覆うというもの。ウサギの実験では、子宮摘出2週間後で措置を施さなかったグループの9割で癒着が見られた一方、措置を施したグループでは約7割に癒着がなかったらしいです。

トレハロースを使った癒着防止法は、東大病院、東大家畜病院、㈱林原生物化学研究所、㈱ネクストが共同開発し、今年7月に「効果があった」と発表しています。今回はそれのより具体的な成果の発表ということでしょう。

術後の臓器癒着は、腹部手術をした患者の55%以上、また脳や胸部の手術後でもみられ、例えガンなどが治ったとしても、患者は慢性的な腹痛、腸閉塞、不妊症に苦しめられることになります。バイオといえば、遺伝子関係や再生医療などにスポットライトがあてられがちですが、こういう、地味目ですが多くの人に役立つ技術を一刻も早く実用化してもらいたいものです。
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# by Katsu-Nakaji | 2006-12-12 21:27 | バイオニュース | Comments(0)