気になるバイオニュース、ちょっとマニアックな鉄道模型、心に滲みる酒場、まだバックパッカーという言葉が輝いていた時代の旅の話を中心に、徒然なるままに…


by Katsu-Nakaji

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―調査委員会に問題はなかったのか―

今回の問題は、RNA学会や東大が言うような海外研究者からの「誰も再現できない」という指摘があったはるか前から「川崎論文のデータは怪しい」との噂が一部で流れており、その後2ちゃんねる等のインターネットサイトで「捏造疑惑」として盛んに取り上げられるようになったのが発端のようです。

「捏造疑惑」ということであれば「捏造があったか否か」が吟味されなければなりません。そして、捏造が証明されれば「有罪」、なければ「無罪」というすっきりした結論のみが出されることになるはずです。一方、東大懲戒委員会はというと、「捏造があったとは断定できないが信ぴょう性がない」(濱田純一委員長)とういう判断のもとに、懲戒解雇の決定を下しました。不正を行ったからではなく、大学の名誉を傷つけたことが解雇の理由です。何ともわかりにくい。いったい不正はあったのか、なかったのか。

ここでもう一度、懲戒委員会の結論の下敷きとなった東大調査委員会の最終報告書を読み返すと、調査委員会は実験結果に再現性があるかどうかだけに焦点を当て、最初から不正、つまり捏造の有無をほとんど問題にしておらず、そのための調査は行っていなかったことがわかります。

「平成17年4月1日、日本RNA学会 渡辺公綱会長(当時)より、本学(東大)工学系研究科 平尾公彦 研究科長に対し、化学生命工学専攻 多比良和誠教授らが関係する12篇の論文の実験結果の再現性に関し調査以来があった。科学的立場からその再現性、信頼性について調査するため、工学系研究科に調査委員会を設置し、実験結果の再現性の検証が比較的容易であると判断された論文4篇(論文番号略)を選定し―(中略)―検討を進めてきた。」(最終報告書「序文」より。カッコ内注筆者)

そしてその結論は、
「―(前略)―今回調査を行った4篇の論文に関しては再現性、信頼性はないものと判断される。」(「結論」より)
でした。

「捏造」に関しては、1本の論文の一部データについて「捏造されたデータであると判断せざるを得ない」という記述が調査結果分析の項にあります。もし「捏造の有無」が調査の目的であったなら、当然、さらなる証拠固めや川崎助手への直接尋問等を行うはず。しかし調査委員会はそうせず、それ以上踏み込んだ見解は示しませんでした。やはり始めから「捏造疑惑解明」の意思はなかったと見るのが妥当でしょう。

調査委員会は報告書の最後に真理の探究を尊ぶ「東京大学憲章I.学術6.(研究の理念)」を引用しました。しかし、その委員会自身に「捏造疑惑」の真実を突き止めようとの姿勢がまるで欠如していたことには、ただ驚かされます。

「再現性がない」と「捏造があった」はイコールでは結びつかないのは明らか。特に生命科学の分野では「実験の再現はそう簡単にできるわけではない」との声も聞かれます。「再現性がない」から「捏造があった」へと結論を導くには、時間をかけた慎重な事実関係の調査が不可欠。そうした事実解明のプロセスを省くために調査委員会が意図的に「捏造」を問題の核心に据えなかった可能性も否定できません。また、「再現性が無いとなれば、マスコミはすぐに『捏造』と取り上げるだろう」―こんな思惑も見え隠れしています。(この項続く)
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by Katsu-Nakaji | 2007-01-22 20:56 | 東大論文捏造問題 | Comments(0)
「何は無くとも、先ず動輪」――てなわけで、探したぁ〜。1/80では直径20ミリの動輪は1/87にすると18ミリ強。本当は鉄道模型部門を閉鎖してしまった港横浜のトビー模型の18.5 ぐらいがあると理想的なのですが、世の中そんなうまく行くわけありません。ムサシノ模型では「8721を作りたいから、動輪探してる」っていったら、「何と無謀な」との返事。かわりに、キャブ屋根スライド式のC57を見せられて自慢されただけで収穫ゼロ。(うちからだど、電車賃結構かかるんだぞ!)

もちろん珊瑚模型をはじめ、エコー、さかつう、そしてこれも今はなき渋谷のアサヒホビーなんかも巡ったけどだめ。結局、動輪のためには機関車を一輌買うしかないと悟りました。
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by Katsu-Nakaji | 2007-01-21 03:52 | 12ミリ雄別8721型 | Comments(0)
この本の丁度P100に出ている写真にまいった。それまで、8700型というと、16番蒸気機関車製作名手の平野和幸氏がTMSに連載した国鉄型しか知らず、「ハチロクのほうがかっこいい」と思っていたけど、この雄別の8721の、C51かと見まがう化粧煙突、デフやクロスヘッドとユニオンリンクの関節のカーブ、それに長いエキセントリックロッドを見た瞬間「自分のものにしたい!」という衝動が頭の後ろを貫いちゃいました。てなわけで、長い鉄道模型人生で二度めの蒸機スクラッチ(最初は中学時代に16番でハチロク台枠途中で挫折)を決意したのです。まさか出来るまで8年もかかるとはねぇ〜(未塗装完成は2006年)。
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by Katsu-Nakaji | 2007-01-18 03:27 | 12ミリ雄別8721型 | Comments(0)
アメリカの下院が11日に胚性幹細胞(ES細胞)を研究を連邦政府が支援する法案を、賛成253、反対174で可決しました。超保守のブッシュ大統領が拒否権を発動するのは確実で、今回の採決が即、「ES細胞研究解禁」(あくまで連邦レベルで)とはいきませんが、それを指示する共和党議員も多く、「次期大統領は民主・共和いずれであれ、同研究にゴーサインを出す」(民主党議員)のは確実のようです。

大統領選は来年。いよいよアメリカもES細胞研究競争に本格参入するわけで、ES細胞株を樹立した京都大学以外の利用がとてつもなく難しくなってしまった日本は、さらに遅れをとることが確実な情勢になってきました。
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by Katsu-Nakaji | 2007-01-15 23:00 | バイオニュース | Comments(0)
このブログを読んでくれた親友のS君から、「おまえの原点は小田急と親父のヨーロッパ土産の客車じゃなかったのか」との指摘がありました。確かに、O君のEB58+篠原の線路→珊瑚模型→TMSという流れなしでは、玩具ではない「おとなの趣味としての鉄道模型」の扉を開けることはできなかったのですが、ふかーく(なくともいいが)考えると、ご指摘の通りなんですねぇ。幼馴染というのは自分の忘れたことも憶えていてくれて(こっちも彼の忘れたことをしつこく憶えているが)、ありがたいものです。というわけで…

ほぼ生まれた時から11歳まで住んでいた団地の、道ひとつはさんだ向こうに小田急線が走ってたことから、列車の通過音やロマンスカーのオルゴールの音がしない生活は想像できませんでした。遊んでいても、電車の音が聞こえてくると遊びを中断して団地の裏に飛んでいって、フェンスにしがみつきながら「○○型だぁ~」。車両の形だけじゃなくて、色も楽しかった。当時はまだオレンジがかった黄色と青の、いわゆる旧塗装が全盛だったけど(「小田急」といえばこれだ)、旧国型のデハ1800なんかは茶色だったし、御殿場線乗り入れ用のディーゼル、キハ5000はベージュに赤い帯。もちろんロマンスカーはグレーに赤だけど、デハ2600や4000には、小田急百貨店全館完成記念のクリームと赤地に金の帯という「特別塗装」もありましたねぇ。

昭和40年代前半はまだ電気機関車が砂利を満載したトムをゾロゾロ引き連れて、その「タンタンタンタンタン…」ていう単調なジョイント音は国鉄の長大な貨物列車を思い起こさせてくれたもんです。最後尾には、トムの真ん中に車掌室をつけたトフがいつもぶら下がっていたけど、トフは一列車一両じゃなく、先日雑誌で見た写真によると、機関車の直後にも連結されていることが結構あったようですね。貨物列車はよく脱線してました。

そんなわけで、当時は「電車」といえば「小田急」しか考えられず、毎月首を長くして発売を待っていたTMSに小田急車両の製作記が載っていた時などは本当にうれしくて、何度も何度も繰り返し読んだものです。
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by Katsu-Nakaji | 2007-01-09 18:57 | 鉄道模型自分史 | Comments(0)
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論文捏造問題を調査していた東大が、暮も押し迫った12月27日、RNA研究者で工学系教授の多比良和誠(たいら・かずなり)氏と助手の川崎広明(かわさき・ひろあき)氏を懲戒解雇にすると発表しました。「論文の責任著者として実験の妥当性を的確に評価する識見がない。川崎助手の実験結果を慎重に検討せず、信ぴょう性のない論文を再三作成した」ことで「大学の名誉や信用を著しく傷つけた」のがその理由。

この発表を聞いた一般の人達にとっては、「何かわからないけど、多比良という悪い教授が川崎という助手を使って、インチキな論文を沢山発表してたらしい」ーということになってしまうでしょう。でも、本当にそうなのでしょうか?自分は記者としてこの問題を1年半近くフォローしてきましたが、この処分が発表された時にまっ先に思ったのは、「東大がこんなことをやっているのでは、日本にサイエンスは育たない」ということでした。

この問題の経緯についてはあとで少し詳しく報告するとして、川崎助手の実験データ捏造疑惑は限り無く黒に近く、解雇も止む無しと思います。しかし多比良教授は監督責任だけが問われているのであって、同助手の細工が見抜けなかったのは「不正」ではなく「ミス」です。「不正」には「解雇」という厳罰で臨むのは当然ですが、「ミス」に対しても同様な厳しい処分を科すことをやっていては、研究者は委縮し既存の体制ばかり気にしてまい、創造的な研究などできるわけがありません。また「信憑性のない論文を再三作成した」というのも、誇張が過ぎます。
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by Katsu-Nakaji | 2007-01-04 17:34 | 東大論文捏造問題 | Comments(0)