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by Katsu-Nakaji

多比良・東大教授が懲戒解雇処分に

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論文捏造問題を調査していた東大が、暮も押し迫った12月27日、RNA研究者で工学系教授の多比良和誠(たいら・かずなり)氏と助手の川崎広明(かわさき・ひろあき)氏を懲戒解雇にすると発表しました。「論文の責任著者として実験の妥当性を的確に評価する識見がない。川崎助手の実験結果を慎重に検討せず、信ぴょう性のない論文を再三作成した」ことで「大学の名誉や信用を著しく傷つけた」のがその理由。

この発表を聞いた一般の人達にとっては、「何かわからないけど、多比良という悪い教授が川崎という助手を使って、インチキな論文を沢山発表してたらしい」ーということになってしまうでしょう。でも、本当にそうなのでしょうか?自分は記者としてこの問題を1年半近くフォローしてきましたが、この処分が発表された時にまっ先に思ったのは、「東大がこんなことをやっているのでは、日本にサイエンスは育たない」ということでした。

この問題の経緯についてはあとで少し詳しく報告するとして、川崎助手の実験データ捏造疑惑は限り無く黒に近く、解雇も止む無しと思います。しかし多比良教授は監督責任だけが問われているのであって、同助手の細工が見抜けなかったのは「不正」ではなく「ミス」です。「不正」には「解雇」という厳罰で臨むのは当然ですが、「ミス」に対しても同様な厳しい処分を科すことをやっていては、研究者は委縮し既存の体制ばかり気にしてまい、創造的な研究などできるわけがありません。また「信憑性のない論文を再三作成した」というのも、誇張が過ぎます。
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by Katsu-Nakaji | 2007-01-04 17:34 | 東大論文捏造問題 | Comments(0)